結露発生要因 水蒸気の発生源と温度変化


 8.水蒸気の発生源と対策
 家屋内での水蒸気の発生源はいろいろあって、開放型のストーブ(石油ファンヒーター、反射型の石油ストーブなど)、調理、お風呂、洗濯物、加湿器、人間などが水蒸気を発生させます。結露の原因は水蒸気の量が関係しますからこれらの使用を控えればある程度結露を抑えることができます。しかし、上記の項目はどれも生活にはなくてはならないものばかりで、使用を控えることは難しいです。

 発生源は分かっていて対策を打てないのはなんとももどかしいですが、別の方法で対処しましょう。それは
換気することです。冬、部屋でストーブをつけて暖を取っているとき、数人の人が集まってくると窓がくもり始めることがあります。これは水蒸気の発生源である人間が増えたためです。ではこのくもりを取りたいときはどうするかというと換気が一番効果的です。くもった状態で換気扇を回すとだんだんと取れてきます。水蒸気をたくさん含んだ空気が冬のからっとした空気と入れ替わることによって結露の発生を抑えます。

 昔の日本の家屋が結露でそれほど問題にならなかったのは、
すきま風が換気を行なってくれていたからです。
 ストーブから水蒸気が出るのは想像しがたいことですが、結構でます。一時間に1000kcalの熱を出す石油ストーブでは約133gの水蒸気を発生させます。
 ストーブの上にやかんを置けばさらに水蒸気は増し、同時に加湿器を使用してしまうと大量の結露が発生してしまいます。
 煙突つきのストーブでは水蒸気は外部に排出されます。


 9.温度の変化と対策
 冬に部屋で暖房していると、その部屋で結露はほとんど発生しません。これは空気の温度が高く、結露の発生場所も暖められているためです。ところが、朝起きて窓を見ると大変な状態になっています。通常、日本人は寝る前に暖房を止めます。すると部屋の温度が急激に下がり、窓も外気と接しているため冷たくなります。人がおきている間に部屋中に蓄えられた水蒸気はここぞとばかりに窓にくっつき始めます。結露が発生した場所は水分によって熱が奪われ、周囲の温度はさらに下がり、ますます結露が発生してしまう状況になります。私の家では寒い日にそれが凍ってしまってカーテンとくっついていたりします。

 これを防ぐには24時間暖房をつけっぱなしにしなければなりません。欧米では24時間暖房が主流ですが、日本では感覚的に暖房をつけっぱなしで寝るのは私もそうですが抵抗があります。日本人には日本人の文化があるので無理にマネする必要はありません。別の対策を考えましょう。

 温度の変化を抑えることができないとすれば、後は水蒸気の量を減らすしかありません。ここはひとつ寝る前に部屋の換気を行なってみましょう。5分ぐらい窓を開けて、からっとした空気と部屋の水蒸気だらけの空気とを入れ替えてしまうのです。部屋が寒くなると思うかもしれませんが、冬に暖房を切って30分も経てば、部屋の温度は暖房なしの室温と同じになります。(部屋の気密性、断熱性は影響しますが) 

 これで結露はなくなるとはいえませんが減らすことはできます。



洗濯物を外に干していて、夕方になるとじめじめと湿ってしまうことがあります。これは夕方になると外気の温度が下がってしまい、行き場を失った水蒸気が洗濯物にくっついてしまうためです。水蒸気の量はほとんど変化していません。

結露のページ目次

結露は面白い


1.結露は面白い
2.結露発生のメカニズム
3.温度と湿度と水蒸気

結露を詳しく知ろう

4.水蒸気の性質
5.結露発生の基本
6.表面結露と内部結露
7.逆転結露

結露発生要因
水蒸気の発生源と温度変化

8.水蒸気の発生源と対策
9.温度の変化と対策

結露発生場所
各個撃破


10.窓の結露を止める
11.押入れの結露を止める
12.棚の後ろの結露を止める
13.土間床の結露を止める

内部結露について

14.内部結露は難しい
15.見えない結露をイメージする
16.内部結露対策
17.内部結露対策2
18.とりあえず内部結露まとめ
結露とシロアリ


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