結露は面白い


 1.結露は面白い
 夏、冷たいビールほどおいしいものはありません。お風呂上りにコップに注いできゅっといっぱいというのは多くの方がやられていることでしょう。しかし、数分もするとコップの周りに水滴が付き始め、だらだらと流れ落ち、テーブルが水浸しになってしまいます。これは不快です。せっかくのおいしいビールが台無しになってしまいます。

 ご存知のとおり、これが結露です。温かく湿った空気が冷たいものに触れると水滴となって現れるものです。私は当初、このコップにこびりつく水滴を何とかしたいなと思って、結露の本を読みまくりました。そのうち、日常生活で起こる結露は結構あることに気づきました。さらに結露は原因があって結果がでるという因果関係がはっきりとしており、面白い現象だなぁと思い始めました。(結露でお悩みの方には申し訳ないのですが)

 原因がわかっているということはなんらかの対策を講じれば結露は止められたり、減少させたりすることはできるはずで、その対策についてもおいおいご説明いたします。



身近な結露
・冬の朝の窓につく水滴
・コップの周りにつく水滴
・メガネがくもる
・自動車のガラスがくもる
・夕方、洗濯物が湿る
・朝露、夜露
・雲
など


 2.結露発生のメカニズム
 結露発生のメカニズムは簡単です。前述しましたが「温かく湿った空気が冷たいものに触れると発生する」です。この短い文章の中に結露と非常に関係の深い語句が含まれています。

  ◆温かく・・・
温度
  ◆湿った・・・
湿度、水蒸気
  ◆冷たいもの・・・
飽和水蒸気量

結露を難しい言葉で表すと、「空気中に含まれる水蒸気が、飽和温度より低い温度の物体に触れると、水に変わり、物体に水滴が付着する」です。


 3.温度と湿度と水蒸気
 夏はじめじめ冬はからっと、夏は高温多湿、冬は低温低湿というのが一般的な日本の気候です。じめじめ(多湿)というのは湿度が高い状態を示し、からっと(低湿)というのは湿度が低い状態のことをいいます。

 温度と水蒸気の関係はご存知の方がほとんどだと思いますが、
空気中の温度が高ければ高いほどたくさんの水蒸気を含む性質があります。水蒸気とは空気の湿りっけで人が目で見ることはできない、非常に小さい物質です。砂漠であろうと山の頂上であろうと空気には水蒸気が含まれています。

 ある温度の空気が含むことができる水蒸気の量を
飽和水蒸気量といいます。ある温度の空気が含むことのできる最大の水蒸気量のことです。水蒸気の量がこれを超えてしまうと水滴になって現れます。雲がそうです。

 
湿度とは、とある空気中に含まれる水蒸気の量が、飽和水蒸気量に対して何%かということを現しています。仮にある温度での飽和水蒸気量が50gで、実際の水蒸気の量が25gだったとすると湿度50%ということになります。

 「今日は湿気が多くて不快だな」と思うことがありますが、これは湿度が高い状態を表しています。注意が必要なのが
湿度が高いというのは空気中の水蒸気の量が多いということではないということです。
 仮に水蒸気の量が10gだったとすると、温度が12℃のときの湿度は94%とかなり高い湿度となりますが、温度が20℃になると湿度は58%、30℃になると33%と非常に乾いた空気になります。
 このあたりのことを覚えておくと結露のことがよくわかるようになります。


お湯を沸かしているときにやかんから発生する湯気は水滴であって水蒸気ではありません






空気が含むことのできる
水蒸気の量(1立方メートル当り)
温度が0℃の時・・・4.8g
温度が10℃の時・・・9.4g
温度が20℃の時・・・17.3g
温度が30℃の時・・・30.3g


ダイヤモンドダスト
空気の温度が下がると飽和水蒸気量も下がります。厳寒の地域ではこのとき水蒸気が水滴となって現れますが、あまりにも気温が低いのでそれが凍ってしまうことがあります。これがダイヤモンドダストです。見てみたいです。

結露のページ目次

結露は面白い

1.結露は面白い
2.結露発生のメカニズム
3.温度と湿度と水蒸気

結露を詳しく知ろう

4.水蒸気の性質
5.結露発生の基本
6.表面結露と内部結露
7.逆転結露

結露発生要因
水蒸気の発生源と温度変化


8.水蒸気の発生源と対策
9.温度の変化と対策

結露発生場所
各個撃破


10.窓の結露を止める
11.押入れの結露を止める
12.棚の後ろの結露を止める
13.土間床の結露を止める

内部結露について

14.内部結露は難しい
15.見えない結露をイメージする
16.内部結露対策
17.内部結露対策2
18.とりあえず内部結露まとめ
結露とシロアリ


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