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[38] 業務停止命令:県、リフォーム業者に12カ月 /福島 毎日新聞 2012年3月10日 | |
[ニュース引用]
県は9日、リフォーム工事などを手がける郡山市の訪問販売業者「東北開成住宅設備」(谷本久夫代表)に対し、特定商取引法に基づいて3月10日から12カ月の業務停止を命じた。県内の消費生活センターに震災後から、16件(約2700万円)の相談があった。同法に基づく県による行政処分は14件目。 県消費生活課によると、同社は「トイレ工事を請け負った業者が倒産したので、そのアフターに来ました」「トイレを無料で点検する」などと言って、消費者宅を訪問。シロアリ駆除やリフォーム工事を次々と勧誘する訪問販売(点検商法)を行って契約を結ぶ際、クーリング・オフに関する記載不備などが違反行為と認定された。 「TANI住宅設備」の業者名で同種の違反行為を行ったとして、昨年12月に3カ月の業務停止命令を受けており、県は悪質として最長となる12カ月の行政処分を科した。 ----- [コメント (2012 /03/12)] 東日本大震災から1年が経過しましたが、被災地では未だに震災が過去形ではなく今現在も続いており、被災された方々は復興に向けて日々頑張っておられます。そんな中、復興の足を引っ張るような、非人道的な行為を行う輩がいることには怒りを覚えます。行政処分だけで済ませていいのでしょうか。会社名を変えて再び行為に及んでおり、まったく反省の色が見えません。またこの紙面には記載されていませんが、被災された高齢者宅を狙った卑劣な犯行ということです。騙す行為すら決して許されるものではありませんが、被災して大変な苦労をされている方に対してこういった行為を行なうというのは非人間的な、まったく人としての情を持たない許しがたい行為です。 こういったアポなしで突然シロアリの無料点検などと称してやってくる業者は利益のみを追及している場合が多く、本来会社として行うべき義理や礼儀を欠いた業者がほとんどです。点検してシロアリがいようといなかろうと関係なく、よしんばシロアリがいた場合でも仰々しくしゃべってお客様の不安を煽る場合が多いです。 突然業者が無料点検と称してやってきた場合には断ったほうがいいです。もし気になった場合には知り合いに相談したり、ご自分でいろいろ調べてから業者に依頼されたほうが、業者側の一方的な話にはならず、落ち着いて処置方法を考えることができると思います。 |
[37] 「シロアリでショート」火災の原因 asahi.com 2012年1月12日 | |
[ニュース引用]
シロアリが火災の原因だった――。鹿児島市で昨年11月中旬にあった鉄骨2階建ての建物火災で、市消防局は電気配線がシロアリにかじられてショートしたと断定した。 市消防局によると、この火事では1階の間仕切り壁や天井が焼けた。調べたところ、壁は木材でできていて、中からシロアリが大量に見つかった。壁の内側はシロアリに食べられてスカスカ状態。壁と壁の隙間にあった配線はかじられてガタガタになり、黒く焦げた部分もあった。 シロアリ駆除の関係者によると、シロアリは木や紙だけでなく、ビニール、発泡スチロールもかじるという。 消防局の担当者は、シロアリ被害が原因で火災が発生する例は聞いたことがないという。「まさかシロアリが原因だったとは。対策は、駆除を定期的にやってもらうぐらいしかないのでは」 ----- [コメント (2012 /01/13)] まず火災に遭われた方へお見舞いを申し上げます。 シロアリが電線を食害するという話は以前からあり、鉄道を停めたというような話も耳にしたことがあります。 基本的に、シロアリのエサは木材ですが、かじられるものはかじります。シロアリは「これは食料だ!」と認識してかじり始めるのではなく、とりあえずかじってみて結果的に死なない場合は食べ続けるという程度の生き物です。断熱材などにはシロアリの栄養源(主にセルロース)がないから被害に遭わないといって現実に食害されているのはそのためです。 今回のシロアリの種類はおそらくイエシロアリだったのではないかと思われます。ここからは推測ですが、イエシロアリが壁と壁の間に、配線を巻き込みながら巣を作り、配線がかじられてショート、それががイエシロアリの巣に引火して火災が発生したのではないかと想像しています。ちなみにイエシロアリの巣はよく燃えます。 イエシロアリの巣の断片に火をつけてみたところ いずれにしてもあんなに小さい生き物がこういう災害を起こしてしまうのですから「蟻の一穴」とはよく言ったものです。 この言葉の蟻はクロアリでなくシロアリなんですよね。 |
[36] 震災便乗の詐欺などに注意を NHKニュース 2011年3月24日 | |
[ニュース引用]
東北関東大震災に便乗して、日本赤十字社をかたって義援金の振り込みを依頼したり、水や乾電池などが買えなくなると不安をあおって高値で売りつけたりする詐欺や悪質商法に関する相談が相次いでいることから、警視庁が注意を呼びかけています。 警視庁生活安全部の宮園司史部長は、24日に会見し、「震災に便乗した卑劣な犯罪が広がっており、皆様に注意をお願いしたい」と呼びかけました。警視庁によりますと、11日に巨大地震が発生した当日から日本赤十字社など実在の団体をかたって東京都内の高齢者などに義援金の振り込みを依頼するうその電話をかけたり、水や乾電池などが買えなくなると不安をあおって高値で売りつけたりする詐欺や悪質商法に関する相談が相次ぎ、これまでにおよそ100件に上っているということです。また電気の点検業者を装って高齢者の家に上がり込み、点検料として1万円をだまし取る事件も起きているほか、リフォーム業者をかたって「このままだと屋根が崩落する」などと必要のない工事の契約を迫るケースも出ているということです。警視庁は、今後さらに震災に便乗した犯罪が広がるおそれがあるとして、ホームページで具体的な事例を紹介して注意を呼びかけています。 ----- [コメント (2011 /03/27)] このたびの東北関東大震災で亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災されました方々に心よりお見舞いを申し上げます。また、現在も避難生活やライフラインの停止でご不便な生活に耐えられておられる方々のご心情は、察するにあまりあります。そんな中で火事場泥棒的な極悪非道の輩や、復旧に便乗した悪質悪徳な輩は絶対に許すことが出来ません。こんな禽獣以下の輩に対しては強く厳罰化を望む次第です。 おそらく今後、無料床下点検をうたった輩も出てくることが予想されます。まったく根拠がないことを言って消費者の不安をあおるシロアリ業者も出てくるかもしれません。例えば床下浸水などがあったお宅では ・「浸水で床下が湿っているので、このままではシロアリが湧いてくる」 ・「換気扇をつけないと乾かない」 ・「乾燥剤を撒けば乾く」 などが考えられますが上記の文句はまったくの間違いです。シロアリは湧いてくるものではないので浸水しようとしなかろうと関係ありません。むしろもともといたシロアリは浸水によって溺死した可能性すらあります。シロアリも生き物なので、水分は必要ですが必要以上の水分は死活問題です。また、床下が浸水しても換気が健全であれば乾きます。堆積した泥の量が多いときには換気の妨げになることはありますが、だからといってすぐに換気扇や乾燥剤とはなりません。まずはその泥の処理をどうするか考えるべきです。またベタ基礎で水が貯まってしまったときは水抜きの穴がないとなかなか水が抜けないと思いますのでポンプや雑巾などでその水を取り除くことが大事かと思います。乾燥に時間がかかるとカビが生えてくるかもしれませんが、乾燥を待つか別途カビはカビで対応したほうが良いと思います。 床下は見えない空間なので訪問業者はあることないことを言ってお客さんの不安をあおります。訪問業者全てが悪徳とは言えませんが悪質業者が多いことは事実ですので断ったほうが賢明です。ご心配や依頼ごとがある場合には自分で調べたり、知り合いに頼まれるのが良いと思います。また、その業者も怪しい、不明な点がある、費用が高いなど感じた場合には別の業者にも確認してもらうようにしてください。 それから国民生活センターが「震災に関連する悪質商法110番」を開設しました。ホームページはこちら。 電話番号:0120−214−888 平成23年3月27日(日曜)より 10時〜16時(土曜・日曜・祝日含む) 対象地域:岩手県、宮城県、福島県の消費者 このたびの罹災に際してご支援いただいた方々、激励やお見舞いをいただいた方々に厚くお礼申し上げます。 |
[35] シロアリがクロだった asahi.com(朝日新聞社) 2011年2月2日 | |
[ニュース引用]
害虫や害獣、すぐに不具合を起こす水道・電気・ガスなどのライフライン、そして困った職人さんなど……。 遭遇した本人にとっては頭痛の種でも、読むと思わず笑ってしまう。そんな「トホホ」な話題を、今回からは提供します。 (海外書き人クラブお世話係・柳沢有紀夫) ◇「おい、いたぞ、シロアリが! ほらっ、これを見てみろ!」 念のため、庭も見てくると言って出ていったシロアリ駆除業者氏が、慌てた顔で花壇の土を持ってやってきた。見ると、土の中に気持ちの悪い虫がウヨウヨといる。 「こいつはひどい。家屋から一メートルしか離れていないところにいたんだ。早く駆除をしたほうがいい」 私と妻は、シロアリに顔面蒼白になった。目を白黒させたと言ってもいい。さっきまで、家の中をチェックした駆除業者氏から「どうやら、家の中はやられていないね」というご神託を聞いて、安心していたところに、降ってわいたシロアリ疑惑である。慌てるなというほうが、無理がある。 亜熱帯に位置するブリスベンでは、シロアリの活動も活発だ。熱帯のダーウィン近郊の高さ6〜7メートルほどでないにしても、郊外の道沿いではよく高さ1メートル近くのアリ塚を見かける。わが家の近所では、突然土台から傾いた家がある。支柱をシロアリにやられたらしい。そこはすぐに立ち入り禁止となり、修復不能とのことで、壊された。そういう羽目にならないよう、木造の家の住人は、定期的にシロアリ調査をしてもらうことが多い。定期検査による早期発見と早めの対策が大切なのは、人間の病気と同じだ。 シロアリ入りの土を花壇に戻した駆除業者氏は、汚れた手を洗ってから、見積もりを作成し始めた。家の外側のあちこちに駆除用の杭を打っていき、しめて3000豪ドル也。これだけやっておけば後は安心だ、と言われてもこちらの心拍数は高まるばかり。何と言っても、日本円で約24万円の出費である。 オーストラリアではいろいろな作業を依頼する場合、複数の業者さんから見積もりを取るのが一般的。このときも、念のため、別の会社に依頼した。前者は「調査は無料」の駆除業者だが、今度は「調査も有料」の調査業者である。 まず、家の中の壁という壁を、バトントワラーのバトンのような道具で叩いたり、電流計のような手のひらサイズのテスターでなぞったりしている。いずれも水分が多い場所はないか、調べるのだそうだ。シロアリの体は水分がほとんどなので、水分が多い場所は怪しいということらしい。 「うん。家の中はだいじょうぶですね」 以前の駆除業者と同じことを言ってから、外に出て行った。戻ってきて、こう言う。 「シロアリの巣が三ヵ所にありました。東側の大きな木と立ち枯れた木、北側の切り株のいずれも根元です」 ついて行って見せてもらう。金槌で立ち枯れた木の皮をはがすとシロアリが無数に出てきた。 「まあ、家から十メートル以上離れているので、そんなに心配はないんですが、一応、薬剤で処置しておきますか?」 「あっ、お願いします。それと、花壇はどうなんでしょう?」 「花壇?」 「ええ。他の業者に見てもらったら、ここにシロアリがたくさんいたって、言われて」 花壇に連れて行く。 「いや、ここには巣がないし、心配ないですよ」 「でも、『ここにいたぞーっ』って、慌ててきたんですけど……」 「残念ながらそういう業者もいるんです。いわゆる自作自演というか……」 彼は同じ業者として情けない、という顔をしていた。 結局、彼にシロアリの巣の処置を頼んで、二年。わが家はまだどこにも問題はない。 シロアリは確かにいた。そういう意味では、クロだった。だが、本当にクロなのは……この物語に出てきた腹黒い人物かな?
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[34] 水漏れやシロアリ 床下点検ロボット 大和ハウス本格投入へ 産経関西 2010年10月22日 | |
[ニュース引用]
大和ハウス工業は21日、住宅床下の水漏れやシロアリの被害、コンクリートのひび割れなどをチェックするロボット「モーグル」=写真=が完成し、来年4月から同社の戸建て住宅の定期点検などに導入すると発表した。関東、中部、近畿地区で投入する。同社によると、住宅床下点検ロボットの本格投入は業界初。 モーグルは全長約50センチ、幅約30センチ、高さ約24センチ。高さ15センチまでの段差は乗り越えることができる。明るさを3段階に調整できるLED(発光ダイオード)照明や、暗い床下の状況でも鮮明に撮影できるカメラなどを搭載。診断員はコントローラーで遠隔操作し、パソコンの画面上で、リアルタイムで点検の模様を説明できる。床下点検では、作業員が狭い床下に潜り込んで行っており、精神的、肉体的な負担が少なくなかった。同社はモーグルを利用した住宅床下点検に順次切り替えていく方針。 |
[33] 特商法違反:疑いでシロアリ業者逮捕−−佐渡 /新潟 毎日新聞 2010年5月31日 | |
[ニュース引用]
佐渡西・東両署と県警生活保安課は30日、佐渡市八幡、害虫駆除業、塩谷一宇(かずいえ)容疑者(66)を特定商取引法違反(不備書面の交付)の疑いで逮捕した。 佐渡西署によると、塩谷容疑者は「大和サイエンス」の名称でシロアリ防除業を営んでいた。逮捕容疑は、09年11月、佐渡市内の50歳代の女性宅を訪問し、シロアリ駆除工事の契約を結んだ際、契約書に工事に使う薬品の種類や量など工事内容を詳しく記載していなかった疑い。工事代金120万円を請求し、一部を受け取っていたという。 佐渡市立消費生活センターなどに、シロアリ駆除工事の契約が強引で代金が高過ぎるなどの苦情や相談が相次いで寄せられ、佐渡西署が捜査したところ、塩谷容疑者が容疑を認めたという。 ----- [コメント (2010/6/2)] 工事代金が120万円というのはものすごく高すぎますし、薬剤や使用量を説明していないのも問題だと思います。シロアリ業者は売上げを伸ばそうとシロアリ駆除の施工を依頼すると駆除施工以外にも必要のない調湿剤や換気扇なども一緒に勧めて、見積もりを出してきます。先日もとあるお宅へ調査へ伺いましたが、蟻道がたかだか2本程度で被害も大きくないのに、床下の全面薬剤散布と換気扇取り付けで約60万円の見積もりを置いていったそうです。私は他社と価格で競争をする気はありませんが、一桁違います。 また、使う薬剤の種類の説明は、ほとんどの業者さんがおこないますが、薬剤の名前とメーカー名くらいで、使用する量がどの程度になるかということを話す業者はあまりいません。これは使用する量が多すぎるということを業者自らが認識していて、お客さんに話をするのに不都合があるからではないかと思います。一般的に仕様書どおりに薬剤を散布すると、1坪当り10リットルもの薬剤を撒きます。20坪の家屋なら200リットルです。こういう話をお客さんが聞いたらその多さに普通は驚かれると思います。だからおそらく話をしないんでしょう。 私は薬剤の大量散布によるシロアリ対策はそろそろ終わりが来ると思っています。家屋のベタ基礎化、構造の多様化、消費者の環境や健康への意識の高まりなど大量散布は時代に則していないように思います。 それはさておき、もし業者さんの施工内容やお見積もりなどにご不明な点などありましたら、出来る限りアドバイス等させていただきますので遠慮なくお問い合わせください。 |
[32] ネオニコチノイド系農薬 規制強化求める声 中日新聞 2010年4月26日 | |
[ニュース引用]
新型の「ネオニコチノイド系農薬」の規制強化を求める声が、環境団体などから上がっている。従来の農薬に比べ毒性が低いとされ、使用が広がってきたが、ミツバチ大量死との関連や、人への健康被害が懸念されだした。 ◆ミツバチの異変懸念 「国が認めた農薬でも、目の前でハチが死んでいく。どうしたらいいのか」。ネオニコチノイド系農薬への規制を求め、今月二十一日、環境団体「ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議」が東京都内で国会議員ら向けに開いた学習会。参加した岩手県の養蜂(ようほう)家で、日本在来種みつばちの会の藤原誠太会長は、こう危機感をあらわにした。 藤原会長は、同農薬が水田などで頻繁に使用されるようになってから、各地でミツバチの大量死が起きていると報告。長崎県の養蜂家も「二十年以上飼ってきて初めての被害」と訴えた。 中枢神経に作用する同農薬は、昆虫を興奮状態にして方向感覚を狂わせ、筋肉を収縮させて殺す。従来の有機リン系農薬などに比べ毒性が低いとされ、一九九〇年代から使われるようになった殺虫剤だ。 水田のカメムシ防除や松枯れ防止、園芸用や床下のシロアリ駆除剤など用途は広がっている。大手農薬メーカー調査では、世界の殺虫剤出荷額の約16%を占め(二〇〇五年)、最多の有機リン系農薬に次いで多い。 環境への影響が懸念されたのは、ミツバチの異変がきっかけ。岩手県で〇五、〇六年、水田にネオニコチノイド系農薬を散布した後、周辺のミツバチの大量死が相次いだ。全国で昨年から顕著になったミツバチ不足も、同農薬が原因の一つと疑う養蜂家がいる。 ミツバチ不足に関して、畜産草地研究所(茨城県つくば市)が今月まとめた調査研究報告書は、その原因を特定しなかった。ただ、同農薬の被害で死んだとして、養蜂家が持ち込んだミツバチの死骸(しがい)の九割から同農薬が検出されたとの分析結果が、併せて報告されている。 ◆心配される人体被害 人の健康被害への懸念も出ている。同農薬は、低毒性とされながら、心拍数の増加、血圧上昇、吐き気・嘔吐(おうと)、けいれんなどの中毒症状があるからだ。 「近くで殺虫剤をまいた後や、(同農薬が付着した恐れがある)果物やお茶をたくさん摂取した後に、動悸(どうき)や震え、もの忘れ、せきなどの症状が出る患者が増えている」と、化学物質と健康被害について研究する前橋市の青山美子医師は指摘する。 青山医師は一昨年、こうした患者四十九人を東京女子医大東医療センターの平久美子医師と共同で調査。尿から、同農薬が分解されてできる物質が検出された七人については、農薬による中毒症状だとみている。 これに対し、農薬工業会は「国で登録された、安全性の保証された農薬だ」と反論。厚生労働省も「健康に影響のない残留基準値を厳しく設定している」とする。 だが、国内の残留基準値は欧米に比べて数十〜数百倍緩いのが現状。フランスでは、ミツバチへの被害が疑われた段階で政府が使用を禁止し、原因調査を始めた。「ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議」の中下裕子弁護士は「残留基準値を見直し、ミツバチや子どもの脳の発達に及ぼす影響も含め、国は調査を」と話す。 農薬中毒に詳しい筑波大名誉教授の内藤裕史さんは「人類が初めて接する農薬。体内での分解の仕方など未解明な部分が多いのに、普及が先行している。影響調査を十分に行い、使用は慎重に行うべきだ」と訴える。 ------ 【コメント】 世界中でミツバチが減少している原因には、記事にある農薬の影響、寄生虫による説、電磁波の影響によるもの、地球環境の急激な変化、もしくはそれらが複合して減少しているなど諸所の説があり、いまだはっきり特定されていません。私もこの問題は非常に懸念しており早く打開策が世界中でおこなわれることを強く望んでいます。 ただ、ネオニコチノイド系の薬剤がミツバチによく効いてしまうということは事実かと思います。当社でもネオニコチノイド系の薬剤を駆除に使用することがありますので、この薬剤の性質として十分頭に入れて使用しています。 ネオニコチノイド系に限らず他の農薬やシロアリ用の薬剤でも特性として、水生生物に強い毒性を示すもの、甲殻類によく効いてしまうものなどがあり、使用する薬剤の性質をちゃんと分かっていないと問題が発生する場合があります。 シロアリ業者が自分が使う薬剤の性質を理解して使用していることは意外に少ないように思います。単純に、何々協会で認定された薬剤だから安心ですとか、天然自然由来の成分なので安全ですなどとしか説明しない業者は要注意です。これはこれですごく問題ですが、さらにこの業界で問題なのがその薬剤を使用する量です。一般的なシロアリ防除では農薬の何倍もの濃度の薬剤を、かなりの量を床下に撒きます。マニュアル通りに撒くと一坪当たり約10リットルです。床面積が20坪のお宅ではなんと200リットルにも及びます。これは常識的に考えて多すぎるように思います。健康な方でもこの使用量を聞いただけで体調を崩してしまいそうです。 薬剤はその性質だけで安全性は語れないと思います。大切なのはその使用する量です。使用量が少なければ少ないほどリスクは減り、一番安全なのはまったく薬剤を使用しないことです。ただ、シロアリに食べられている箇所があれば放っておくわけにもいきませんので、様々な状況を考慮して、なるべく薬剤が少なくて済むように対策を考えることもシロアリ技術者の仕事だと思っています。場合によっては薬剤をまったく使用しないで対策を講じることも考えなければならないこともあるかと思います。 また、現在、人に害がないといわれてる薬剤も、記事にもありますが、現在の知見で健康被害が確認されていないだけで、将来は分かりません。過去に安全といわれた薬剤が現在は使用禁止になっているものも実際にあります。 私は安全な薬剤はないと思っています。人が服用する薬もその用法用量を間違えれば毒になります。ですからお医者さんや薬剤師さんがいるわけで、家屋の医者たるシロアリ技術者は十分に薬剤の危険性を承知した上で使用しなければならないのだと思います。(2010/04/26) |
[31] 住まいナビ:質の良い中古住宅を見分けるには。 毎日新聞 2010年4月5日 | |
[コメント]
最近、中古住宅への関心が高まっているそうです。新築するよりもその割安感からだと思いますが、購入者が心配するのは中古住宅を購入してから何らかの不具合がないかどうかだと思います。記事によれば、購入を考えている方が「建物現況調査」というサービスを利用して、建築士2人が基礎の強度や床の傾き、シロアリの被害がないのかなどを調べてもらったそうです。「住宅診断」というものらしいですが、費用は5万円〜15万円とのこと。売主、買主どちらが負担するかというのは記載されていませんでしたが、売買事前の調査は大変重要だと思います。当社でも地元のある不動産屋さんの中古住宅の調査を4,5年前から実施しています。当社では主として「シロアリの調査」ですが、床下にもぐりますので腐れや漏水といった異常がないかどうかの確認もおこない、写真を添えて報告書を提出しています。正直なところ、当初は売主や不動産屋さんにとって、売買前の調査はあまりやってほしくないものかと思っていました。調査して何か異常が見つかったら売れなくなるので余計なことはしないでほしいというのが本音かなぁと勝手に思っていたんですが、実際にはそのようなことはなく、シロアリの痕跡があっても対処方法をこちらで提示すれば特に問題はありませんでした。逆に買主さんがその程度の被害で進行していないならならそのままでもいいということもありました。 さて、この住宅診断に関して少し懸念があります。シロアリの調査に関して、調査する人がシロアリの正しい知識を持っているのかどうか、また、仮にシロアリの被害が確認されたとしてその対処を正しく判断できるのかどうか、ということです。調査をおこなっている建築士さんがシロアリがいるにしろいないにしろ、どういう判断をしているのか非常に興味があります。これが、現在のシロアリ業者さんが調査したとなると、家屋がどういう構造だろうと、シロアリがいてもいなくても「薬剤の大量全面散布をしましょう」ということにしかならないと思います。 おそらくこれから先、、中古住宅の市場は少しずつ大きくなっていくものと思われます。売主さん、買主さんも多種多様になっていくでしょうから、こういった調査や結果への対応は、仲介業者も含めて調査する人がどれだけその人たちのことを考えて柔軟に対応できるかどうかが重要になると思います。要はどれだけ親身になって対処方法が考えられるかどうかだと思いますが、これがマニュアル一辺倒では対応のしようがなく、誰にとってもいい結果にはならないと思います。 2010/04/05 |
[30] 悪質リフォーム処分 大阪の業者、業務停止9カ月 /大阪 毎日新聞 2010年3月29日 | |
大阪府のホームページの報道発表資料、2010年3月26日に詳しい内容がありました。不正状況を要約します。
■事業者の概要 ・事業者名 株式会社World Peace ・代表者 代表取締役 杉山 信一 ・所在地 大阪市中央区高津一丁目9番10号サムティインテリジェンスビル503号室 ・業務内容 訪問販売(床下の修理・補強工事、調湿剤設置工事等の住宅リフォーム工事) ■大阪府における相談の概要(平成22年3月17日現在) ・件数:平成20年度 33件、平成21年度 37件 ・被害にあわれた方の年齢別件数: 60歳代まで 17件、70歳代 23件、80歳代 27件、90歳代 3件 ・契約金額: 最大 804万円、 平均 218万円 、合計額 9165万円 [コメント] 業者から不正な行為を被ってしまった方のお気持ちをお察しします。同業者として憤慨に堪えません。 不正行為の事例を見ますと、突然訪問し、水道の点検と称して庭に入り込み、そのついでと言って床下も点検し、このままではシロアリが出るとかあること無いことを言って契約を迫り、一つの契約が済むと次々と別の契約を迫ってくるという悪質極まりないものです。なぜこういう業者がたった9ヶ月の業務停止命令で済んでしまうのか、だいたいこういう業者は会社の名前を変えたりしてまた同じことをするんです。こんな処分はただの事象だけの話で何の解決にもなっていないように思います。 私も何人か、悪質な業者に施工されたお宅へお伺いしたことがありますが、その業者へ電話をしても通じなかったり、すでに倒産していたり、または行政処分を受けていたりと泣き寝入りするお客さんばかりです。また、「もうあの業者とはかかわりたくない」という方も多く、再び訪問してきたり連絡が来るのを恐がっているお客さんもいます。そのお客さんにはもし連絡が来たら当社の名前を出してもらって、床下は管理してもらっている旨、伝えてもらうように言っています。 現状、訪問販売業者に対しては聞く耳を持たないよう、門前払いするのが一番です。確かにすべての訪問販売業者が悪いということはないでしょうが、悪質な業者がいる確率が高いことは昨今のニュースを見ても明らかです。また、自分の家屋のことに関して大工さんなり工務店さんなり、関係業者さんなり、相談できる相手を作っておくことも大事かと思います。シロアリに関しては業界の方であっても意外と間違った知識を持っている方が多いので、信頼できるシロアリ技術者を見つけてください。 2010/03/30 |