危険な薬剤の安全性? そのC

  5.ビフェントリンの蒸気圧曲線
 ビフェントリン(シロアリ用薬剤の成分)の蒸気圧曲線を提示することは使用している当社の義務かと思い、いろいろ調べました。しかし、残念ながら蒸気圧曲線を描くだけのデータが見つかりませんでした。ビフェントリン自体はアメリカの製薬メーカーが製造しているので苦手な英語を訳しながらアメリカのサイトなども確認したんですが見つかりませんでした。だいたいの蒸気圧曲線は「温度がいくらで蒸気圧がいくら」というのが3ポイント程度わかれば書くことができるんですけど、どこを見ても1.8×10^−7mmHg 25℃しか記載されていませんでした。どなたかからの情報をお待ちしています。

 ということで、ビフェントリンの正確な蒸気圧曲線は提示することはできません。しかし、当社独自の方法で推測してみましたので提示します。

 まず一般に蒸気圧が高いとされる「
アセトアルデヒド」の蒸気圧曲線を示します。



 次にこの曲線を利用して、ビフェントリンの蒸気圧 0.00000024hpa 25℃をあてはめてみます。



 このことからビフェントリン自体は通常の温度では到底蒸発できないことがわかります。ということなので「
ビフェントリンは蒸気圧が低いので比較的安全である」ということがいえると思います。

アントワン定数
温度と蒸気圧の関係を式で表すための各物質ごとの定数。これを求めると蒸気圧曲線が書ける。




「アセトアルデヒド」
飲酒後に気分が悪くなったり二日酔いになったりする原因物質。建材などにも使用されるが、厚生労働省が定める室内濃度の指針値に規定されている。

  6.それでも薬剤はなるべく使わないに限る
 私はよっぽどのことがないかぎり薬は服用しません。ここ最近大きな病気をしていないせいもありますが風邪薬を最後に飲んだのがいつのことか覚えていないほどです。シロアリの薬剤を使う使わないとは別の話ですが、ある程度人が持つ治癒力に任せます。化学物質過敏症の原因として、人が許容できる化学物質の量は決まっていてその量を超えると化学物質に耐えられなくなり、病気を発症してしまうそうです。だとすれば、シックハウスの原因はべつにシロアリの薬剤や建材のみでなく、野菜に含まれる残留農薬、服用する薬など生活するうえで取り込んでしまうすべての化学物質が原因ということになります。シックドラッグと改名してほしいです。

 薬剤はその安全性をいくらうたったところで人から見れば異物です。とはいうものの、現代社会において化学物質から隔離することはほぼ不可能なことです。「昔はそんなのなかった」と思われるかたもいるかもしれませんが、この状況から昔の生活に戻したところで社会が成り立つとは思えませんし、化学物質のおかげで健康に長生きできているのもまた事実です。要は化学物質をうまく利用することを考えればいいのであって、そのためには薬剤メーカーのモラルと情報の開示、使う人のモラル、化学物質に対する知識の向上と理解が必要になると思います。

 ※注意 薬剤はその注意事項をよく読み、用法用量を正しく守ってお使いください。

 

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