シロアリフォーラムのご紹介

シロアリフォーラムとは
 シロアリフォーラムは、生物多様性の保全と人々が健康に生きる権利がテーマとなっている現代において、あるべきシロアリ対策を追求する場として形成されています。
これはシロアリとシロアリ対策に強い興味を持つことで一致できる人々によって情報を交換し、とりわけ当面する基礎断熱被害対策化学物質過敏症対策乾材シロアリ対策などを生態に依拠したシロアリ対策の立場から積極的にになうものです。
業界の枠にとらわれず、各界の個人によるネットワークを広げ、駆除難の現場への出張駆除・相談など多様な活動を予定しています。
                 
 発起人 星野伊三雄(鞄穴C白蟻研究所)
 神谷忠弘(岡崎シロアリ技研)  
賛同者 早坂 弘((有)仙北シロアリ)   

シロアリフォーラムに賛同されている皆さんのサイト・ブログ
  ・岡崎シロアリ技研
    フォーラム発起人でもある神谷さんのサイト
  ・阪神ターマイトラボ
    兵庫県の水谷さんのサイト
  ・エスケイユニオン
    埼玉県の金子さんのサイト
  ・小泉防虫
    静岡県の小泉さんのブログ
  ・サトーシロアリ技研
    福岡県の佐藤さんのブログ
  ・石山建創
    熊本県の石山さんのサイト

シロアリフォーラム 現場研修会 2012春 in 和歌山

掘り出したイエシロアリの巣と一緒に
 2012年3月7日から9日まで、和歌山県でシロアリフォーラムの現場研修会が開催され、全国のシロアリフォーラムメンバー13人が集い、ナカジマシロアリの採取やイエシロアリの巣堀りなど有意義な体験をしてきました。
 初日はナカジマシロアリというシロアリの採取です。木生息性のこのシロアリはヤマトシロアリと違って土壌とのつながりは必要なく、枯れ木や倒木などを住み家としています。宮城県ではヤマトシロアリしか生息していないんですが、ヤマトシロアリを採取をする感覚で探してもナカジマシロアリは見つかりません。先輩らに教えられなんとか見つけることができましたが、普段ヤマトシロアリしか見かけない私からするとナカジマシロアリがいる枯れ木などには違和感を覚えます。またヤマトシロアリに比べて集団の個体数もかなり少ないです。

ナカジマシロアリの職蟻

ナカジマシロアリの兵蟻
 そしてあわよくば見たいなぁと思っていたのが「エンゼルウィング」と呼ばれる、背中に突起物を持ったナカジマシロアリの若齢幼虫です。エンゼルウィングの使途は分かっていませんが、幼虫時代の若い時期にだけ見られ、すごく愛らしい姿です。鼻息で飛んでしまうくらい小さいんですが、これも念願がかなって観察することができました。

ナカジマシロアリの若齢幼虫。不思議な突起物。

ちなみにイエシロアリの若齢幼虫
 2日目の午前中は某旅館のイエシロアリの現場でした。この旅館には前日から宿泊して部屋の様子を確認していますが、2階の複数の部屋のいたるところで被害や兆候が見られました。ヤマトシロアリではちょっとありえない状況で、私には何がどうなってこういう被害が出ているのかちんぷんかんぷんです。しかしながらイエシロアリ技術者の下、ある部分の床を開口してみると、出てきました。イエシロアリの巣が。神がかり的です。昔、シロアリ技術者というのはお客さんから非常にありがたがれ、神様と崇められたそうです。なんだか分かるような気がしました。見つけた巣からは王と副女王(4頭)が確認されました。

部屋のある部分で一見なんの被害も無さそうな木材も
実はスカスカの空洞

見つけた巣に挑むヤマト白蟻研究所の波田さん

取り出した巣をみんなで確認

見つかった王と副女王
 興奮冷めやらぬその日の午後、別のイエシロアリの現場に移動し、巣の掘り出し作業を行ないました。民家の浴室下におおよそ巣があるだろうということは分かっていたので隣の部屋から掘り進み、巣の全体像を出して観察しようというのが大きな目標でした。私自身はイエシロアリの現場は数回見ていますが、掘って巣を出す経験はありませんでした。今回は掘りやすい砂地だったことと、人海戦術可能な人数が揃っていたことも幸いし、苦労した甲斐もあって大きな巣にたどり着くことができました。

掘って掘って掘りまくり

巣まで来たときにはこんな感じ

写真では分かりにくいですが大きな巣です

慎重に取り出していきます

巣が壊されて警戒防御に出てくる兵蟻。ヤマトシロアリでは見ることの出来ない光景です。同じシロアリでもまったく生態は異なります。

巣を堀出してなんとも言えない達成感が。
 3日目最終日は前日に掘り出した巣から王や女王等を見つけるため、巣の解体作業を行ないました。王台や若齢幼虫は見つけることができましたが、残念ながら王や女王を見つけることは出来ませんでした。それでも手や頭をシロアリだらけにしながら(シロアリを食べていたツワモノもいた)丁寧に解体し、肌身でイエシロアリに触れられた経験は大変貴重なものとなりました。

 イエシロアリの現場を見るたびにヤマトシロアリとはまったく異なる生態をしているとつくづく思います。別にイエシロアリを見たことがない業者さんでもそのことは十分に承知しているでしょうが、実際の現場で得られる体感や経験は想像を超えると思います。「ヤマトシロアリは大したことがないシロアリ」という分別をするためではなく、その生態にあった駆除方法や対策を再考するためにも、また、ヤマトシロアリの駆除技術向上のためにも、ぜひともイエシロアリが生息していない地域の業者さんも機会をつくってその現場を経験されると良いかと思います。必ずプラスになります。私自身も今回の研修は各現場での経験はもちろんのこと、メンバーとの情報交換や道具の違い、使い方などを見ることが出来、非常に有意義なものとなりました。

巣の解体作業

今回お伺いしたところの近くは本州の最南端


シロアリフォーラム 現場研修会2010

床下で作業する岡崎シロアリの神谷さん 
 9月17、18日、愛知県吉良町でシロアリフォーラム現場研修会が開催されました。その名の通り、イエシロアリの現場での研修会です。全国からシロアリ業者や建築士、大学関係、研究者、メーカー、商社など様々な業種の方々が参加されました。
 現場は2階建ての民家で1階、2階ともにイエシロアリが元気に活動しており、調査から施薬までが行なわれました。現場研修終了後は宿舎に戻り、それぞれ抱えているシロアリ対策の課題や疑問点などを持ち寄った写真や資料とともに夜更けまで討議されました。

 このフォーラムは普通の研修会や講習会と違って、決まったプログラムや説明があるわけではなく、なんとなく始まりなんとなく終わるというようなスタイルです。シロアリ技術者の普段行なっている通りの調査、駆除の様子を皆が見、疑問があれば聞き、実際にやってみて肌で感じる超実習型の研修会です。真っ暗な部屋でプロジェクターの画面を見ながら講師の話を聞く知識詰め込み型の研修とは大きく異なります。確かに、知識も大事ですが現場で実践できない知識を詰め込んだとしてもただ物知りになるだけでで終わってしまいます。ですのでこのフォーラムは自ら学ばなければならず、ボーっとしている時間はあまりありません。逆に言えば、自分の興味があるところを絞って学習できますので非常に有意義な時間が過ごせます。

 東北地方にイエシロアリは生息していませんので、宮城県の私がイエシロアリの現場を見てもあまり意味がないのではないかと思うかもしれませんが、私は「ヤマトシロアリ」を知るために「イエシロアリ」を見に行っています。異なる種の生態を見比べることにより、さらに深くその種の生態を知ることができるものと思います。自動車でもハイブリットカーとガソリン車を比べるから各々の長所短所が分かるのと同じです。例えば、「シロアリは家屋に甚大な被害を及ぼす」という知識を学んだとしても、ヤマトシロアリしか見ていない人は「ヤマトシロアリの食害する被害の程度が甚大な被害」と思うしかありません。

 宿舎では夜中まで討論会が開かれましたがこれも特に決まった内容ではなく雑談会のようなものです。部屋のあちこちで各々が勝手に写真を披露し、課題などを話し合います。この中で、多く話題に上がったのは基礎外断熱工法のシロアリ対策についてでした。被害の様相や実際におこなった対策などの話は非常に参考になりました。


            シロアリフォーラム 技術交流会2008
 12月4、5日、静岡県でシロアリフォーラム技術交流会が開催されました。羽衣の松で有名な三保の松原ではイエシロアリやその被害の様相を観察しました。また宿泊した民宿周辺では家屋に侵入しているイエシロアリの蟻道や群飛口などを発見し、巣のある場所の想定やもし対策をとるとすればどういったことが考えられるかなど意見が交わされました。
 夜には参加された方々の現場での話、薬剤の効力、新しい技術による駆除方法など貴重な情報交換を朝方まで行いました。 
三保の松原で観察するみなさん
松を観察するシロアリフォーラムのみなさん

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