ヒバやヒノキ、炭をシロアリは食べる?食べない?


  はっきり言って食べます。
 よく「うちはヒバ、ヒノキ材を使っているからシロアリは付かない」とか「炭はシロアリを寄せ付けない」とか「ねこ土台(基礎パッキン)構造だからシロアリは上らない」など、根拠が薄い文句がちまたにはびこっています。シロアリ業者であればそんなことはないということは常識なんですが、それらが事実を無視して一人歩きし、あげくの果てには5年保証、10年保証などという、何をもって保証するのかわけの分からない事象まで起こるようになってしまいました。
 このページではそれらの誤解を解消してもらうため、鹿児島県の廣瀬産業株式会社さんから特別に許可をもらった実験映像をご紹介します。実験内容はヒバやヒノキ、炭を、飼育しているシロアリ(イエシロアリ)に与え、数ヶ月間観察した内容で、実際の現場の状況とは異なりますが、研究室レベルの実験よりははるかに現実に近い内容だと思います。
 なお、ここでご紹介する動画の著作権は廣瀬産業株式会社さんにあります。また動画はカット編集、スロー再生編集しており、画質も落としています。映像のお問い合わせは廣瀬産業さんにご連絡ください。
廣瀬産業さんのサイトはこちら

シロアリがわらわらと出演しています。動画を見るにはWidndowsMediaPlayerが必要です。
ヒバとシロアリ ヒノキとシロアリ 炭とシロアリ ねこ土台(基礎パッキン)と
シロアリ
ヒバを食べるシロアリ ヒノキを食べるシロアリ 炭を這うシロアリ 基礎パッキンを行き来するシロアリ
hiba.wmv (974KB) hinoki.wmv (1MB) sumi.wmv (981KB) kiso_pakkin.wmv (2MB)


  シロアリ対策に絶対はありません
 上記の実験はすべてイエシロアリによるもので、これをそのまま生態の異なるヤマトシロアリに適用するのも間違いです。さらに、ヒバ、ヒノキ、炭、基礎パッキンを否定するものでもありません。ヒバ材やヒノキ材にはシロアリや腐朽菌にとって毒物となる「ヒノキチオール」「カジノール」といった物質が含まれているため、スギやマツ材に比べると耐蟻性、耐腐性が高いですし、ヒノキ材にいたっては200年間は少しずつ強度が増すそうです。この二つの材なくして日本建築は有り得なかったとも言われています。炭もシロアリに効く効かないは別にして、その使用方法は多岐にわたりますし、ねこ土台は古くから使われている日本の伝統技術です。
 だからといってそれらをシロアリに対して使えば絶対にだいじょうぶということにはなりません。むしろどんな方法、対策をとろうとも「食べられるかもしれない」と考え、定期的に点検しておけば長く持たせることができると思います。それが「絶対大丈夫だ」と思っていると、気づいたときには被害が拡大してしまっているという状況になってしまうのではないかと思います。
 私は「ヒトはシロアリに勝てない」と考えています。ですからどうやって引き分けに持って行くかが私のシロアリ対策の考え方です。勝ち負けの話ではないかもしれませんが・・・。
べた基礎の蟻道べた基礎に出来た蟻道。どうやってコンクリートを突破したのか未だわかりません。
べた基礎はシロアリにとってかなり困難な障害物になるのですが突破することもあるんです。


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